どうも、ミヤです。

雪上の自転車レースなんてイカれてる。

私も数年前まではそう思っていましたが、以前美瑛サイクルスノーフェスタに参加して以来、すっかり雪上レースのファンになってしまいました。

確かに寒いし、走るのは難しいし、当然キツいし、一言で表すならば過酷。

ただ、青空の下で白銀の世界を走り回る爽快感や走り終えた時の達成感、一周ごとに表情を変える路面コンディションとの対話・・・雪上ならではの魅力がたっぷりあるのもまた事実。

というわけで美唄スノーサイクルレースに参加してきました。レースの概要についてはこちらの記事で紹介していますのでご覧ください。

今回、私は友人とチームを組んで出場。お互い、スチールのバイクにこだわりがあることや、カーボンフレームに対して不要な敵対心を持っている(笑)こともあり、チーム名はStill Steelに決定。(みんなは軽量なカーボンバイクに乗るかもしれないけど俺らはまだ鉄のバイクに乗るからね、という意味)チーム名を決めて名乗ることへのちょっとしたくすぐったさと、チーム旗揚げの高揚感を抱えながら会場へ。

荷台のバイクは私のファットバイクと、相方のMTB。散々悩んだ末、路面状況に幅広く対応出来るよう、あえて2人のバイクカテゴリは変えてみました。

会場に到着し、受付手続きを終えてコースへ。そこで我々は異変に気づきます。

「圧倒的サイクルジャージ着用率」

ガチじゃないすか。

ええええ!?冬だよ!?寒いよ!?冬は空気抵抗よりも防寒でしょ?防寒しながらいかに汗冷え対策するかに頭を悩ませるもんじゃないの!?

道中、相方と「表彰台を狙おう!」と話していたのが若干無謀な話に思えてきました。しかし、ここまできて心折れるわけには行きません。「Still Steel」を名乗ってスチールバイクに乗っておきながらメンタルはお豆腐なんて格好がつくはずがありません。

気を取り直してコースの試走。一周1.6kmの周回コースはちょっとしたアップダウンはあるものの、ほぼ平坦と言っていいでしょう。路面状況を鑑み、我々の方針はファットバイク1台を2人で乗り継いで使うことに決定。

走者交代の効率と、適正サドル高に目を瞑ってでもタイヤ幅を優先するという判断でした。この判断が適切だったかについてはこちらの記事で詳しく詳しーく書いています。結構頑張って書いたのでぜひお読みください。

スタート前、近くに並んだSURLY乗りの方が話しかけてくれました。シングルスピードのICE CREAM TRUCKに跨る気さくな男性(ジャージ着用)。よかった。ガチ勢じゃない私にも優しくしてくれる人がいた(笑)「寒いねー」「タイヤ幅は?」「ギア比は?」「SURLY乗りに出会うと嬉しいよね」そんな話をしながらスタートの合図を待ちます。

スタートのピストルは美唄市議の方。なんでも、美唄を自転車の町にしたいそう。

てなわけで、雪上を150分間走り続ける鬼の耐久レースの始まりです。落車や渋滞に巻き込まれても嫌なので最初はちょっとスピードをあげて飛び出します。気温が高い影響で、圧雪のように見えるコースは実はすでにバッドコンディション。雪を踏み潰しながら走っていく感覚で、ペダルが重い。誰かに後ろから引っ張られてるみたいです。

我々の作戦は、多少体力に自信のある私が行けそうな時は2周して相方が1周。しかし、予想外の悪路の影響で、最初の1周を終える頃には思いの外息が上がっている自分に気づきます。一旦交代して息を整えるか?と思ったその時、

「さぁここで計測ラインを越えたのはStill Steel!」

自分たちのチーム名がスピーカーから聞こえてくるって、アガるじゃないの。

レース序盤にして能力が開花する主人公よろしくパワーが湧いてきた私は2周目に突入。

ただ、スタート直後からそんなガムシャラに行くわけにはいきません。

このコンディションではペース配分が勝負を分けるのは明白なので、落ち着いてペースをコントロールします。

150分という途方も無い時間も、始まってしまえば順調に減っていくものです。レース終盤残り60分を切ったあたりで、全体のペースが落ち始めました。いや、厳密には全体じゃない。MTB勢のペースが極端に落ち始めていました。90分かけてみんなで荒らしたコースに、いよいよタイヤが対応しきれなくなったのでしょう。ここが勝負所と踏んだ我々はペースを落とさないことを最優先とし、1周交代で走る作戦に変更。

息が上がる。ハンドルが取られる。タイヤがスリップする。ついに発生する押し、落車・・・始めのうちはカウントできていた自分たちの周回数もいつの間にかわからなくなり、ただひたすら路面を感じ取る、ペダルを回す、早く終われ!早く終われ!!

残り4分を残して最終周回を相方に託します。そして待つこと10分、ガッツポーズとともに最終周回を終える相方。長い長い戦いがようやく終わったのです。(あんなに辛かったのに、この時点ですでに「あー楽しかった」になっていた気がします。)

結果発表の準備を待つ間、レストランでビュッフェが振舞われました。(正式な発音は「バッフェ」に近いのですが、この国ではなぜかこの発音がまかり通っています。)発音はさておき、参加料に含まれているとは思えない豊富なメニュー。レース直後なのでたくさんは食べられませんでしたが、しっかり栄養を補給させてもらいました。

さぁ、いよいよ結果発表です。

各クラスごとに入賞者が発表され、表彰を受けていきます。ちなみにソロ部門優勝者は総合優勝も果たしたらしく、25周だってさ。バケモノだ。

我々の手応えは正直あまりわからず、頑張って走ったことは確かだけどそんなに早かったわけでは無いような・・・という感じ。ただ、レース終了後、「ダントツだったと思うよ」「速かったねー」「空気圧は?ギア比は?」といろんな方に話しかけてもらえたので、まぁ2位か3位には入れてるか・・・?なんて話していました。

2人チーム部門3位は・・・・・呼ばれない。続いて2位は・・・・・・・やっぱり呼ばれない。そして栄えある優勝は・・・・・・今回もだめか〜と思ったその時、

「Still Steel」

第一波が驚き。次いで喜び。

重たいスチールバイクで、シングルスピードで、なんと悲願の表彰台。それもクラス優勝。総合4位という結果も予想外の好成績。バイクチョイスの悩んだ時間、吹雪の自転車通勤、レース中の苦しさ、全てが報われた瞬間でした。チームの旗揚げとしては非常に景気いいスタートを切ることができました。

賞状が手渡されます。そこにはこのレース出場を期に決めたチーム名、このレースを通してなんとなく自分たちに馴染んだ感覚のあるチーム名「Still Steel」が・・・・

っておーーーーーーい!!

Steel(鉄)じゃなくて、Steal(窃盗)になってるーーーー!!

盗んだバイクで走ってることになってるーーー!!!

美唄スノーサイクルレース、楽しかったです。運営の皆さん、関係者の皆さん、一緒に走ってくれた皆さん、ありがとうございました。私の自転車は盗難車じゃありません。

ではでは、またまた。